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ハードコンタクトは眼瞼下垂の原因?気を付けたい症状と対処法

2025.11.10

ハードコンタクトは眼瞼下垂の原因?気を付けたい症状と対処法

ハードコンタクト(ハードコンタクトレンズ)は視力矯正に役立つ医療機器ですが、長年使い続けることにより、眼瞼下垂の原因になる場合があります。特に装用歴が長い人は、装用歴が短い人や装用しない人よりも眼瞼下垂が起こる可能性が高くなります。

そのため、眼瞼下垂の兆候や予防法、眼瞼下垂になった場合の治療法などを知っておくと、対応方法や受診の目安が分かりやすくなるでしょう。

この記事では、ハードコンタクトレンズと眼瞼下垂の関係、対処法、治療法などについて紹介します。ハードコンタクトレンズのユーザーや、「まぶたが下がってきたのはハードコンタクトレンズが原因かも」という悩みがある方は、ぜひ参考にしてください。

眼瞼下垂・目の形成専門サイト

ハードコンタクトと眼瞼下垂の関係は?

ハードコンタクトと眼瞼下垂の関係は?

ハードコンタクト(ハードコンタクトレンズ)の装用は、眼瞼下垂を引き起こす原因のひとつだと考えられています。

ここでは、眼瞼下垂の基本的な知識や、ハードコンタクトとの関係について紹介します。

眼瞼下垂とは?

眼瞼下垂とは、上まぶたが垂れ下がって目が開けづらくなる状態です。まぶたが黒目(瞳)にかかってしまうため、視野が狭くなり、物が見えにくくなるなどの症状を引き起こします。

先天性(生まれつき)と後天性(加齢や病気などによる)の2種類があり、それぞれの原因は異なります。

後天性では約9割が加齢によるもので、高齢者に多く見られますが、近年、若い世代(40代〜50代)でもハードコンタクトの長期使用に起因する眼瞼下垂が見られるようになりました。

特にハードコンタクトを20年以上装用している人では、非装用者に比べて発症リスクが高まる傾向があるため、まぶたの状態に違和感を持った時には装用歴を考慮することも大切です。

ハードコンタクトが眼瞼下垂を引き起こす仕組み

ハードコンタクトが原因で眼瞼下垂が起こる仕組みは、装用時の瞬きやレンズ着脱時の刺激が関係しています。

硬く厚みのあるハードコンタクトを装着した状態で瞬きを繰り返すと、上まぶたの内側から瞼板筋(ミュラー筋)や挙筋腱膜に持続的な摩擦・圧力がかかり、組織を徐々に伸ばしたり、線維化したりします。

それが蓄積するとまぶたを持ち上げる力が弱まり、次第にまぶたが下がってきてしまうという仕組みです。

また、レンズの着脱時の操作も眼瞼下垂の原因です。ハードコンタクトを外す際、上まぶたを強く引っ張る動作を毎日繰り返すと、挙筋腱膜が緩んで下垂を招く恐れがあります。

ソフトコンタクトとの違い

ソフトコンタクトレンズは素材が柔らかく薄いため、瞬きによるまぶたへの負担はハードレンズより小さいとされています。

だからといって「ソフトレンズなら眼瞼下垂のリスクがない」というわけではありません。

ソフトレンズでも長期間の装用や不適切な使用により、まぶたに慢性的な刺激が加われば、眼瞼下垂を発症する可能性が生じます。コンタクトレンズ全般が眼瞼下垂の誘因となり得るため、ハード・ソフトに関わらず、まぶたへの影響には注意が必要です。

コンタクト歴が長い人ほど注意が必要

ハードコンタクトの装用歴が長い人ほど、眼瞼下垂に注意が必要です。実際、長年ハードレンズを使い続けている人は眼瞼下垂を発症する傾向があります。

使用期間が長いほどまぶたへの累積ダメージが大きくなるため、若い頃からハードレンズを使用してきた人は、中年以降、特に気を付けたほうがよいでしょう。

なお、コンタクトレンズ性眼瞼下垂は片目だけに起こるケースも少なくありません。例えば左右どちらかのまぶたが下がってきた場合には、長年のレンズ使用との関連が疑われます。

ハードコンタクトによる眼瞼下垂の兆候

ハードコンタクトによる眼瞼下垂の兆候

ハードコンタクトが原因の眼瞼下垂は、初めは微かな変化から始まります。

ここでは、初期症状の特徴や進行した場合のサイン、セルフチェックの方法と受診の目安などについて紹介します。

初期段階の症状の特徴

眼瞼下垂の初期段階では、自覚できる症状が少ないこともあります。

しかし、よく振り返ると以下のようなサインが出ている場合が多いです。

  • まぶたが重いと感じる
  • 眠そうな目に見える
  • 視野が狭くなったような気がする

まぶたの重さは特に夕方になると感じやすくなり、目を開けづらいと思う機会が増え始めます。知らないうちに額の筋肉に力を入れて目を開いているため、おでこにシワが寄っていることもあります。

また、「眠そうだ」「疲れているの?」と言われることが増えた場合も眼瞼下垂の兆候を疑うべきでしょう。下がったまぶたで瞳の一部が隠れてしまうため、本人は元気でも、眠そうな印象になります。

さらに視野にも注意しましょう。上の方が見えにくくなったと感じることが増えれば、まぶたが下がっている可能性があります。

症状が進行した時の具体的なサイン

症状が進行すると、まぶたの下がりが分かりやすくなってきます。左右どちらか片方のまぶたが大きく下がっていた場合、両目の開き具合に左右差が生じ、見た目にもはっきりと分かります。

また、まぶたがくぼんだようになったり、奥二重が広い二重に変化したり、皮膚のたるみで複数の重なりが生じて「三重」に見えることがある、なども眼瞼下垂が進行しているサインです。

この段階になると眼瞼下垂による視界の障害が大きくなり、集中力の低下や視力への影響も出てきます。

眼瞼下垂を疑った時のチェックポイント

「もしかして眼瞼下垂かも?」と感じた時、自分でできる簡単なチェック方法があります。

以下の方法を試してみてください。

  • 正面を向いて鏡を見ながら、指で上まぶたを持ち上げる
  • 視野が広がって物が見えやすくなれば眼瞼下垂の可能性が高い

ただし、確定診断には医師による検査が必要なため、必ず受診してください。

眼瞼下垂はほかの目の病気(たとえば神経や筋肉の疾患)が原因で起こる場合もあります。専門医の診察を受ければ原因や重症度が判明し、適切な治療法の提案を受けられるでしょう。

医療機関を受診するタイミング

「受診するほどではないかな」と迷う場合でも、眼瞼下垂が疑われる症状に気付いたら早めに受診することをおすすめします。

特に、「まぶたが視界にかかって見えにくい」「額や首の筋肉で無理やり目を開けている」というような状態は、すでに日常生活への影響が出始めている状態です。

また、片目だけ急にまぶたが下がった場合や、まぶたの下がりに加えて複視(物が二重に見える)や眼痛などの症状も感じる場合は、できるだけ早く受診してください。このようなケースは、ハードコンタクトの影響だけではなく、神経疾患等が隠れている可能性があるためです。

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ハードコンタクトによる眼瞼下垂の予防と対策

ハードコンタクトによる眼瞼下垂の予防と対策

ハードコンタクトの使用者でも、いくつかの工夫によって眼瞼下垂の予防や進行抑制が期待できます。

ここでは、ハードコンタクトの正しい使い方や定期検診の重要性、異常を感じた時の対応など、日常生活で実践したい対策について紹介します。

ハードコンタクトを使う際の適切な装用方法

ハードコンタクトを正しく使うことは、眼瞼下垂の予防や進行防止に役立ちます。特に装用時間やレンズ着脱時、清潔維持や適切な使用期間が重要です。

装用時間は必要最小限にして、不要になったら早めに外し、まぶたを休ませましょう。レンズの着脱時はまぶたを強く引っ張らず、専用スポイトを利用することでまぶたへの刺激を減らせます。

レンズは常に清潔に保ち、使用前には手をよく洗ってください。また、ハードレンズは寿命が2~3年程度とされるため、使用期間を把握して、期限を超えないように注意しましょう。

定期検診の重要性

コンタクトレンズを使用している人は、気になる症状がなくても定期的に眼科で検査を受ける習慣をつけましょう。

一定期間ごとのレンズ状態・フィッティング・眼の健康チェックといった定期検査は、目の障害を未然に防ぐために重要です。また、眼瞼下垂は徐々に進行するため、自分では気付きにくい初期段階でも検診で指摘される場合があります。

検査時には、コンタクトレンズの装用によってまぶたに負担が出ていないか、レンズが目に合っているか(フィッティング)を確認することも大切です。

異常を感じた時にとるべき行動

ハードコンタクトを使用中に「まぶたがおかしい」「目が開けづらい」など異変を感じたら、まずコンタクトレンズの使用を中止してください。可能であればコンタクトレンズの装用を中止し、早めに医療機関を受診しましょう。

基本的に一度緩んでしまったまぶたの腱膜は自然には元に戻らないため、専門的な治療が必要になります。異常に気付いた段階で対処することで重症化を防ぎやすくなるため、少しでも「おかしいな」と思ったら、できるだけ早く受診してください。

ソフトコンタクトや眼鏡への切り替えも検討を

眼瞼下垂のリスクを下げるため、必要に応じてコンタクトレンズの種類の見直しや、眼鏡を使用することも検討しましょう。

ハードコンタクトより素材が柔らかく薄いソフトコンタクトレンズに変えることで、まぶたへの負担を軽減できます。眼鏡に切り替えられるのであれば、まぶたへの物理的刺激をさらに軽減できる有効な方法になります。

度数が強くコンタクトが手放せない人でも、自宅では眼鏡を使う時間を増やしたり、コンタクトを使用しない休息日を作ったりなどの工夫で、目とまぶたを労わってください。

また、長年ハードコンタクトを使用して眼瞼下垂の兆候がある人は、これを機にコンタクトの使用そのものを見直すこともおすすめです。

ハードコンタクトによる眼瞼下垂の治療法

ハードコンタクトによる眼瞼下垂の治療法

ハードコンタクトが原因で眼瞼下垂になってしまった場合、症状の程度によっては手術での治療も提案されます。

ここでは、症状の程度に応じた治療法や、手術の種類・特徴、治療後にコンタクトを使う際の注意点などについて紹介します。

症状の進行度と治療法

眼瞼下垂は軽度で日常生活に支障がない場合、経過観察になるケースもあります。

しかし、根本的に改善するには手術が必要であり、点眼薬などの薬で完全に治すことはできません。手術を行うかどうかは、見えづらさの度合いや見た目の変化による支障、手術のメリットとリスクなどを総合的に考慮して医師が判断します。

眼瞼下垂の手術は局所麻酔で行われ、日帰り可能な短時間の手術が一般的です。当院、医療法人まぶたラボ ひふみるクリニックでも眼瞼下垂の手術に対応しており、患者さんの状況に応じて日帰り手術が可能です。仕事やプライベートが忙しい患者さんでも治療しやすくなっています。

「まぶたが重く視野が狭い」など機能面で支障が出ている場合は、形成外科や眼科での治療になり、保険適用になることが多いです。

手術・治療の種類と特徴

眼瞼下垂の手術にはいくつかの方法があり、眼瞼下垂の原因や症状の度合いによって医師が判断・選択します。

眼瞼下垂の手術法は以下が代表的です。

手術法 内容
挙筋前転法 ・挙筋腱膜をまぶたに縫合し直すことでまぶたの下がりを改善
挙筋短縮法

・重度の眼瞼下垂の場合に選択

・眼瞼挙筋の切除・固定でまぶたを持ち上げる

上眼瞼切開法(皮膚切除)

・まぶたの皮膚の弛緩が原因の場合に選択されることが多い

・上まぶたの皮膚を切除・調整して症状を改善

筋膜移植法(前頭筋吊り上げ術) ・額の筋肉(前頭筋)とまぶたをつないでまぶたを持ち上げる
眉下切開 ・眉毛の下を切開してたるみを取る

このほか、切開しない手術法もありますが、確実な治療効果を目指すのであれば、上記の手術法による治療をおすすめします。

治療後に再びコンタクトレンズを使う際の注意点

眼瞼下垂の手術後、しばらくの間はコンタクトレンズの使用を控える必要があります。

傷口が完全に治る前にコンタクトを入れてしまうと、治りが遅くなったり眼瞼下垂が再発したりする恐れがあるため、医師の指示を守ってください。

また、ハードコンタクトの長期使用が原因で眼瞼下垂の手術を受けたのであれば、再発予防のためにも、治療後はできる限りハードレンズの使用を避けることが望ましいでしょう。

まとめ

ハードコンタクトレンズの長期使用は眼瞼下垂のリスク要因です。まぶたが重い、目が開けにくい、眠そうに見えるといった症状に気付いたら、ハードコンタクトによる眼瞼下垂も疑ってみましょう。

眼瞼下垂を放置すると、視野狭窄や肩こり・頭痛など日常生活に支障をきたす恐れがあるため、早期の対応が重要です。定期検診でのチェックや装用方法の見直し、ソフトレンズ・眼鏡への切り替えといった対策によって、予防や進行抑制が期待できます。

実際に眼瞼下垂を発症した場合も、医師の診断のもと適切な治療(多くは手術)を受ければ改善が可能です。医療法人まぶたラボ ひふみるクリニックでは、形成外科専門医による眼瞼下垂の診察・手術を提供しています。

ハードコンタクトが原因と考えられる眼瞼下垂も、適切な治療で快適な視界を取り戻しやすくなります。まぶたや視界に異変を感じた場合には、お早めに当院までご相談ください。

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